「Ultima GTR」はじめて運転した感想
これまでの乗用車とはまったく異なる感覚
購入した新しいクルマ、「Ultima GTR」にはじめて乗った感想を書いていきたいと思います。
まず乗降性は最悪です。全高が1070 mmしかないので当たり前ですが、サイドシルも広く高いうえにドアも小さいので乗り降りは一苦労です。
ドアは金属ではなく樹脂製なのでとても軽いですがバタフライドアに良くあるダンパーは着いていないので自然と持ち上がったりはしません。全開か全閉のどちらかで、途中で止めたい時は何かで支えてあげる必要があります。
ドアは斜め上に開くため左右のスペースは普通のスポーツカーより少なくても大丈夫です。ドアの開閉にそこまで気を使わなくてもよい点はその先の乗り降りが大変なのでかなり助かります。
最近の車両と違ってクルマに合わせていく必要がある
普通じゃない外見の通り、座っただけで何か違う感覚に襲われます。まず第一に感じるのは地面が近いということ。何しろ極限までシート位置が低いので普段見ているモノすべてが目線の上にあり、これだけでかなり印象は変わります。
シート位置に対してペダルが左に寄っているので、まっすぐではなくやや車両中央に向いた姿勢なります。
バケットシートなので角度調整は出来ず、前後のスライドのみですが純正のシートはエアクッションが内蔵されていて腰部分の張り出しの微調整が可能です。
ステアリングは上下、前後とも動きません。ステアリングラックに直結でパワーステアリングも無いのでダイレクト感はかなりのものです。
後ろはミラー頼み
見切りは当然ですが良くないです。自分の座高も関係しますが死角はどうしても出来てしまうので前輪の位置がつかみづらいとは思っています。
前方もですが後方視界は格別です。何しろリアウィンドウは存在そのものがありませんし、サイドウィンドウも小さいので目視確認しようと振り返っても後ろは見えません。
反面、ボディ後半が絞り込まれた形状なのでサイドミラーでほぼ真後ろまでカバーできます。
加えて後付で、ルームミラー型で前後録画タイプのドライブレコーダーを装着しているのでかなり改善されています。ただ、デジタルルームミラーは逆光時にほぼ見えなくなるので過信しないようなるべくサイドミラーで確認するようにしています。
エンジンを始動すると轟音に包まれる
無事シートに納まったら次はエンジンをスタートさせます。7000 ccのアメリカンV8のエンジン始動時に結構電流を食うのでこのクルマの小さいバッテリーだとすぐにクランキングが弱くなるので気を使います。
エンジンが始動すると遮音は全く考えられていない室内にエキゾーストとメカノイズが響きます。耳栓を用意しようかと本気で考える音量ですが、乗用車とは信頼性に大きく隔たりがあるので異常の兆候を早期発見する為にも全ての音が車内に入ってくるのは悪い事ではないのかとも思ったりします。
重たいクラッチを繋いで発進しますが半クラッチの領域が狭いのでスムーズな発進は難しいです。少しでも動き出すとトルクお化けなのでどんどん前に出て行きます。
アクセルを軽く踏み込むだけですぐに制限速度に達してしまいます。まだ鳴らし中のため二千回転以下を心がけますが、LS7エンジンは大排気量OHVとは思えないほど気持ちよく回ります。気を抜くとすぐに超えてしまうので要注意です。
走っているとかなり周囲の視線を集める
見切りの悪さから路上に出る際は気を使います。重ステなのもあって駐車場等での切り返しは大変ですが重量は軽いので動き出せばそこまで地獄ではありません。
地を這うという言葉通りなのでスピード感が他の車両に比べて高く、二割増しくらい(時速100キロだと120キロくらい)に感じます。
ハンドリングは小径ステアリングもあってかなりクイックです。大パワー、高トルクにスタビリティコントロール等のアシスト装備は無いことを考えると急ハンドルは厳禁です。速度が増せば増すほどそのクイックさの危険性が高まるので地を這うスピード感も合わさってスリルは相当です。
あまり長くなってもあれなのでより詳細なドライビングの感想はよりクルマに慣れた次の記事以降にしますが最後にひとつ。
この異様な外見とカラーリングによって、当たり前かもしれませんがめちゃくちゃ周りから見られます。すれ違う対向車のドライバーは大体がこちらを見ています。見た目がディズニー映画「カーズ」に出てくるキャラクターに似ているようで子供受けも良く、出会った人たちに不快な思いをさせないようマナーを守ってドライブしたいと思います。